人前で話すための掟.その3・話の構成①
といいますか、投稿間隔を空けすぎました。
もしも、
待っていてくれた神のような方がいらっしゃったとしたら、
たいへんお待たせしましたm(__)m
早速本日の本題です。
「人前で話すための掟」として、
まずは発声についてのベーシックなポイントを前回までお伝えしました。
本日からは、
人前で話す際の、
その話(トーク)の構成の作り方をテーマにしていきます。
簡単にいいますと、
話の内容をまとめよう、整理して人に伝えよう!
ではなく…、
人へ伝えるための話の内容を構成する術を身につけよう!
ということです。
自己流にまとめる、整理する、
それでも話(トーク)が人へ伝わらない…上手くならない…
と悩んでいる方は、
伝えるための話したいことを「構成」する。
という思考とスキルを装填しましょ、ということです。
スピーチに関するセミナーや、
マンツーマントレーニングの際に、
受講者様へ「どうしてトレーニングを受けようと思ったのか」
を必ず伺うようにしていますが、
次のような返答をいただくことがよくあります。
「声はそんなに汗水流してまで変えたくないし、
俳優やキャスターを目指すわけではないので発声練習もいまさら感があります…。
仕事で大きな会場で話すことがあっても、そこではマイクがありますから。
それよりも、スピーチとか、プレゼンとか、会議の発表とか、
そこで話したいことの意図をもっとちゃんと伝えられるようにしたいんです」
おっしゃることと、
ご自身が日々感じておられるもどかしさが痛いほどによくわかります。
「話したいことの意図をもっとちゃんと伝えられるように…」
というくだりからは、
話したいことが伝えきれない、
話がまとまらないうちに話さなきゃならない状況になってしまう、
話を前夜に一生懸命にまとめたのにいざ人前に立つと頭の中が真っ白に…
このように、ご自身が自分に対して感じられるもどかしさに悩んだり。
または、上司や同僚、部下、クライアントなどに、
「???(で?主題は?要点は?まとめは?)」という表情をされる、
「ちょ、、よくわかんない、もう一度話整理して」
とズバリ指摘されることもあるという方も。
これは他者の反応や指摘を受けて、
ますます自信を失い、
もうどうしていいか…といった状況ですね。
ため息もついてしまうことでしょう。
しかしながら、
単純な伝達不足で「あぁごめ~ん」と身内で笑って済ませられることでも、
諸々複数の人達とのプロジェクトにおいて、
全体像や進行手順を伝えたり、
リーダー的立場にいるひとが周囲へ指示を出す場合や、
クライアントへの営業、プレゼンテーションシーンとなると、
明瞭でわかりやすく、なおかつ説得力のあるトークができることが、
ビジネスパーソンのコミュニケーションスキルとしては必須事項。
「口下手だから」
「トーク上手くないから」
「言ったもん、理解してくれないだけ」
…云々。
いいわけは多々あります。
いいわけを言ってもいいんです。
いわないでいると、
よけいに不安や怖れがカッチカチの塊になって、
自分自身の欠点だと自分で決めつけてしまい、
その問題点にシャッターをおろし、逃げようとします。
そうなるとよけいに苦しくなっちゃいますし、
なにしろ周囲のコミュニケーション不足を招き、
仕事に悪影響が表れ始めます。
だからこそ、
まずは「いいわけを言っちゃえ!」
と私は受講される方へ伝えることもあります。
いいわけを吐きだした後に、
自分の言いたいことが伝わるようにするための手段を身につければいいんです。
話し下手な自分を責めること、恥じることも必要ない。
流ちょうに話さなければならないなんて規則はありません。
下手でいいんです。
ただ、相手へ「ちゃんと伝えたい」という素直な思いをもって、
人へ伝える話の構成力をスキルとして身につけていけば、
周囲へ伝わるトーク力がアップしていきます。
難しい~と考えすぎるとドツボにはまってあっぷあっぷあわあわしてしまいます。
なので、難しく考えなくても大丈夫です。
話の「構成」は、
複数の人前で話すシーン、
1対1の会議でも、
電話応対でも基本はみな同じです。
「ロジカルシンキング」という言葉を聞いたことがある方、
研修やセミナーなどで習ったことがある方もいらっしゃるかと思います。
ロジカルシンキングとは、
論理的思考で人へ伝えるスキルを表すメソッドです。
2000年頃に外資系の企業コンサルティングファームが提唱して以降、
日本にその考えとスキルアップのためのトレーニング(社員研修)が広まったものです。
「話す」「書く」際に、
ひとへ明確に伝えるための構成についての様々なカリキュラムが導入されています。
私も研修講師となって以降、
このロジカルシンキングの社員研修を何度も担当しました。
ロジカルシンキングの基本思考でいうと、
話を伝える際の構成は、
結論⇒理由(原因・例え・事例・裏付け等)⇒結論で締めくくること。
「結論ファーストでやるロジカルシンキングの研修お願いします!」
と依頼されることがよくあります。
最初にその研修を担当するにあたって、
ロジカルシンキングのカリキュラムを勉強しましたが、
正直にいいますと、
フレームワークや●●法などの法則がたっくさんあるので、
あやや、、、なんだか小難しい仕組みにしているなぁ、
こんなん教えてもみんな実践で使えるのか???
と感じたこともあります。
そのロジカルシンキングの概念は、
私がかつて働いていたTV業界では、
そのような言葉や研修を導入しなくても、
他者へ物事を伝えるための思考とスキルとしてすでに実践していることでした。
メディアは伝える商売という性質ですから、
あたりまえではありますが、
日々先輩や同僚と切磋琢磨し合いながら、
どうしたら伝わるか、伝わらないのはなにがいけないのか、
正しい日本語でいうと?結果にもっていく上での原因は理由は?
裏付けは?では次はカイゼンパターンを実行しよう、等々。
互いに指摘し合い、
時にはディベートという名のケンカもあり。
そうして毎日実務で実行し、泥くさ~く鍛えていったものです。
なので、
言葉を使って人へ伝える力を鍛えることとしては、
机上の論理だけではなかなか身につきにくく、
テキストを見せてしまうと、
難しさの意識が優先する性質のものだと思います。
ただ、大きな組織の経営、
大きな予算でプロジェクト進行していく場合などは、
社内外含めて多くの人達とともに仕事をすることになります。
そして一緒に目的を達成するためには、
その目的へ向かうための地図のようなものは欠かせませんので、
ロジカルシンキングの概念や全体像は理解しておいたほうが、
どこかで生かせるものとは思います。
そして何よりも実務で実施し、
リアルな実践での経験値を増やしていくことが肝心カナメ。
ということで、
ロジカルシンキングを知る人も、
知らない人も、
先ほども書きましたが、
話を伝える際の基本構成は以下の通り。
結論(テーマ)⇒説明(原因・理由や例え・事例等)⇒結論で締めくくる。
まず、この枠組みの法則だけは記憶してください。
そして、気をつけていただきたいのは、
机上論理だけを信じてしまわないこと。
確かに、ロジカル~では、
結論ファースト…で話す、ということを提唱していますが、
そのまんまあてはめて話す人がいます。
淡々と「では、結論から申しますと…」
これ、話の導入のシーンではできるだけ避けましょう。
無味無臭、上から目線といいますか、
ロボットが教科書をそのまんま読みだしたかのような印象を与えます。
そして本当に結論から言ってしまわれるのですが、
大概の場合はあまり芳しくない情報だったりします。
嬉しい情報で、
わざと淡々と話始め、
「えっと、、、結論から申しますと…こほんっ…え~…
(がらっとテンション上げて)ゴウカクです!!!(^▽^)」
との間合いを技として使えるのならばOK.
結論ファーストであっても、
導入部分は、「テーマ」を話すと捉えてください。
「本日は先週の課題であった●●についての報告です。数字の上での結果は●●でした」
「本日は新しいプロジェクトの内容をみなさんと共有していきます。
プロジェクトのタイトルは●●。
みなさんの案から多数決で決まったタイトルです。では、早速始めていきます」
これから何を始めるのかを
イメージしてもらうような血の通った前フリトークをすれば、
聴き手の意識も話を受け入れる態勢を整えられるものです。
よくないパターンとしては、
「結論から申しますと、結果は●●でした」
「新しいプロジェクト名は●●です。では早速説明しますね~」
どうでしょう、言葉不足の印象がありませんか?
冷たく一方的に、ハイ言いましたよ、以上。なニュアンスだと、
聴き手のモチベーションも下がります。
口下手、伝わらないと言われる、
という悩みを抱えている方は、
まずは導入部分の前フリのフレーズ不足という共通点があります。
トーク力に自信があるひとは、
前フリ不足でも、
途中と終わりで巻き返すことはできます。
しかし、トーク力に自信がない人は、
まず前フリから、サービス精神をもって、
いくつかのパターンを「前フリアプリ」とでもイメージして装填していきましょう。
散歩中、電車内、どこでもできる前フリトレーニングです。
ではまた、続きは次回に^^
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